言葉というアイテムを使ってどう相手に伝えるか②

前回のブログの続きになります。ほぼ日の糸井重里さんが毎日更新していらっしゃる投稿を見かけました。

この文章を読んで私なりの考えを改めてお話ししたいと思います。ただし音楽の世界、私がオーボエ奏者として関わってきた世界についての自分なりの意見です。

ちょうど前回のブログで「言いたいことをどう相手に伝えるか」とお話ししましたが、「言いたいことを伝える」という私の考えは今も変わっていません。それは長い間ドイツで暮らしてきて感じることなのかもしれません。少し音楽の話から離れますが、ドイツでは「自分の考えを言わなかったら、意見が無いと考えられても仕方がない」「はい、いいえ、とできる限りはっきり表明する」というのは本当だと思います。周りくどい表現よりもはっきりと自分の意見を伝える、これはとても大事なことです。議論が好きなドイツ人と言われますがこれは本当だと思います。そしてその場においてとても大事な事があります。それは「冷静に話す事、相手に敬意をはらう事」です。感情的になってはまともな話し合いはできませんし、解決することもないまま喧嘩別れになってしまいかねません。相手の意見を冷静に聞いて、それに賛同しようがしまいが相手の意見を受け入れる、そして今度は自分の意見を伝える。そこから歩み寄れるならそれでよし、歩み寄れないなら残念ながら意見の相違ですね、という形になります。これは何もドイツ人を相手にしている時だけの話ではなく、多くの国籍や宗教の人たちが集まる場でも言える事だと思います。

音楽の世界、私がオーボエ奏者として関わってきた世界もそれと大きくは違わないと思います。むしろあらゆる国籍の人たちが一緒に一つの音楽を作っていく中で、演奏以外の自分の意見の主張として「言いたいことを伝える」というのはとても大事なことです。いろいろな国籍の人や性格の人がいる集まりではどれだけ声を大にして意見を言うか、が大事になりますが、それと同時に「どう伝えるか」と言うこともとても重要になります。皆、自分の意見を強く持つと同時にその意見を持っている自分を誇りにも感じています。なので選んだ言葉一つで相手を傷つけたりその場の雰囲気を悪くしたりしてしまうので、「できるだけ端的に、そしてスピーディに、そして気を遣った言葉選びと、更に相手へ敬意をはらう」をうまく混ぜた表現をする必要があります。少し大袈裟な表現になってしまいましたが、そうやって意見の交換をしたら相乗効果になりとても良いものが作れていくのではないかと思います。

糸井重里さんが書かれた投稿は、「思ったことをどんどん言うべき文化」とありますが、きっとこれはご本人の意図であえて少し強い表現をされたのかな、とか暗にSNSの世界についてのお考えを書かれたのかな、などと思いますが今その事については置いておくとしましょう。「音楽の世界は言葉はいらない、共通言語は音楽」と言われることもありますし、自分もそう思う時もあります。ただしそれは「演奏中のこと」であって、ただ会場に来て何の準備もなくヨーイドンで演奏を始めて終わったら帰ると言うのならまだしも、本番までに私たちは何度も合わせをし、練習が終わったらビールを飲みに行き、休憩時間は気になる箇所についてもっと意見を交換し、、、、などなど楽器を持っている時間以外にも人と人としての関わりが切っても切り離せない世界でもあります。そうなった時に、やはり「言葉」「表現」「語彙」「敬意」はとても重要なアイテムになるわけですね。そのアイテムをどのように使うか、そして私の考えはやはり前回のブログでお話しした通りですね。私が長年のドイツ生活で感じてきた、音楽表現の世界での私なりの意見として

「言いたいこと、伝えたいことは伝えるべき、問題はどんな言葉を使って、どのように表現するかそして私の答えは「できるだけわかりやすく、しかし言葉選びと相手に敬意をはらうこと」

書きながら、まるで自分自身に向かって言っているようです。簡単なことではないですが少しずつでも意識していけたらな、と思います。

今日はこの辺で、今夜もありがとうございました。

Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★(2020年1月27日)

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