【リード】キャリパー。使う?使わない?

リード作りには実に様々なやり方があります。私が日本で学んできたリード作り、そしてドイツで学んだ作り方、それだけでもずいぶん違っています。リード作りにはいろいろな段階がありますが今日はその中で「キャリパー」についてお話ししようと思います。

リードを丸材から作る場合はキャリパーは当然のことですが必要になります。厚さを正確に測るためです。リードを巻き上げてその先、メイキングマシン、リードナイフのみでの手作業の段階になった時キャリパーを使う必要があるのかないのか?

私の答えは「結果が良ければ使っても使わなくてもどちらでも良い」です。何が絶対的正解という世界ではないからです。色々な方法、アプローチの仕方があって当然だと思っているからです。ただ、私がリードレッスンをする時はキャリパーを使う方法を取ります。そして私自身がリードを作る時も使います。私自身がドイツでそう学んできましたし、実際に相手に正確に伝えたい時、いくつかのものを比較したい時キャリパーのような道具はとても役立つからです。

リードは自然の材料を使っています。なので完全にそうする必要はないのですが、基本は「左右対称」を目指して作っていくと良いと思います。なぜならケーン自体は自然のものですがリードを見た時、中心を挟んで左右、表と裏、それぞれが左右対称の作りになっているからです。対称的な位置、ポイントにあたる箇所の厚さはできる限り同じ厚さ、キャリパーを使うなら同じ数値に近くすることで振動が平等にわたるようになり結果的にリードの機能がよくなります。これは私が長年キャリパーを使って仕上げてきて実感していることです。例えば先端部分の右と左、両端の中程のポイント右と左、このような左右対称のポイントをできる限り近い数値にしてあげるとリードの機能は改善されます。振動が均等になる、響きが柔らかくなる、発音がスムーズになるなどなど。そして調整する左右の厚さの差というのは本当にわずかなものです。0,02-0,05mmというとてつもなく小さい差の世界です。そしてそこまでの僅差は私には感覚ではわかりません。そこでキャリパーの助けが必要になるのです。

では、キャリパーはナイフでリードを削り始めてから常に必要なのか?私の答えは「いいえ」です。リードの完成プロセスとしては順番が逆になってしまいますが私のやり方は完成からさかのぼると

「完成手前〜最終段階で何か違和感を感じたらどこのバランスがあっていないのかキャリパーを使って見つけて修正する」

「削りすぎていないかどうか(あまりにバランスが崩れていないかどうか)判断する程度にキャリパーを使い音が出るようにする」

「半完成に持っていくまでは感覚で削る、キャリパーはほぼ使わない」

「メイキングマシンをかける、この時点ではかなり厚さがある」

という流れになります。キャリパーは使ったり使わなかったりです。ですので最初の答えも白黒はっきりさせる答えではなかったのです。これには理由があって、感覚をフル稼働することと、目盛りを見て頼りにして作業していくこと、このどちらもリード作りには必要なことだと思うからです。目盛り(キャリパー)を使うというからにはそれなりの厚さの目安があります。それは点と点ごとに数字で示すことができますが、だからと言ってキャリパーだけを頼りにして作ると何より自然のケーンを相手にしているわけですからただ一つの目安で10本リードを作ると10通りの異なる感じのリードが出来上がるでしょう。それぞれのリードをそれぞれに合った仕上げ方で完成させないと、それが残念ながら自然を相手にしているリード作りの厄介なところです。そこで「感覚」が必要になります。感覚とは何なのか、まず一つ目は「どんなイメージ、大まかな形にしたいのか」を想像することです。スクレープの始まりから先端まではどのようなカーブを描いているか?中心から外側へはどのような感じで薄くなっていくのか?そして二つ目は「どれぐらい削れば良い振動、心地よいクローが出るのか、吹きやすいものになるか」それぞれのリードごとに試して判断できることです。これが感覚です。どのぐらい削れば良い振動になるのか、これは実際に振動させてみて感覚で判断するしか方法はありません。なのでこの「イメージ」と「良い振動」はキャリパーでは測れないことになるわけです。

たくさん感覚を駆使して半完成までできた、その先には「キャリパーを使い修正することでさらにバランスを良くし、優れた機能のリードに仕上げる」最終段階がくるわけです。なかなか上手くまとまった説明になっていませんが、これが私の考える「キャリパーについて」でした。今夜も読んでくださってありがとうございます。

Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★(2020年2月20日)

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