【オーボエ奏法】音程のこと④ハーモニーに溶け込むこと

昨日から小中学校も休校になりました。この3週間はあっという間で毎日をどうにかこなしていくことで精一杯でした。と同時に色々新しい発見もありました。音楽の世界は広いです。演奏すること、レッスンすること、リードを作ること、演奏の場を作ること、そして子どもたちに音楽の大切さを伝えること。まだまだ学ぶべきことはたくさんありそうです。

さて、「音程のこと」についてもどんどん次の段階のお話へ進んでいきます。これまで「音に意味と意思を持たせること」「同じ音でも同じではない」などという事についてお話してきましたが、今日は「単音だけでチェックするのではなく」「ハーモニーとして音程をチェックする」事についてお話しようと思います。

「ハーモニー」のなかで音程を考えるならば、感覚として「この位置がいちばんしっくりくる」というポジション、響きのポジション、響きの感じを掴むのがとても大事になってきます。ここでは二つの方法をご紹介しましょう。

まず一つ目、一人で練習する時によく使うのは「チューナーの音を鳴らしてそこから完全5度、または完全4度高い音を吹いてぴったりくる位置をつかむ」やり方です。この二つの音程はぴったりハマるとまるでパズルがかっちりとおさまるような、純粋な響きがします。二本のホルンがぴったり合った時の響きと似ていると思います。例えばチューナーを「A」の音を鳴らし続ける、そして自分はそこから完全5度高い「E(ミ)」の音、完全4度ならば「D(レ)」の音になります。ぴったり合ったらとても純粋な響きになる。これはオーケストラのチューニングの際にもそこらじゅうから聞こえてくる合わせかたですね。「A」と「A」だけをぶつけるのではなく、完全5度、完全4度離れた音を吹いて合わせる事によって、響きとして自分の位置はぴったり当てはまっているか確認する作業です。

二つ目は、ピアノがあればできるやり方です。基本のチューニングの音「A」を合わせたい時、ピアノでd−moll「ニ短調」の「レ・ファ・ラ」の三音を同時に鳴らす、そこに「A」を吹いてピアノの響きに合わせていく方法です。これはピアノと一緒に演奏する際に最初にチューニングのやり方としてよく使われる方法ですが、この「レ・ファ・ラ」の和音だけでなくあらゆる和音で音を合わせていくことができます。例えば、今、モーツァルトのオーボエ協奏曲の第一楽章を練習しているなら、ハ長調、その和音「ド・ミ・ソ」を鳴らして真ん中の「ド」を当てはめてから、さらに1オクターブ上がって「高いド」もその和音の中に当てはめます。この」第一楽章で音程に関して最も大事なのはいちばん最初に出てくる「ド」の音と跳躍して1オクターブ上がり4小節間伸ばし続ける「高いド」です。オーケストラではほぼ全てのオーディションで課題とされる曲で最初の「ド」がハマっているかどうかが審査員のまず初めに注目する点でもあります。そして第二楽章ならばヘ長調の和音「ファ・ラ・ド」の和音を鳴らしながら出だしの三つの音を合わせていきます。ピアノの低い音域からずっと「ファ・ラ・ド」の音たちをペダルを踏んで鳴らしてあげるともっと大きな壮大な響きになって、そこに向かって自分が合わせていく音も大きく羽ばたくことができます。

他にもたくさん例はあるのですが、ピアノがある環境で練習できる時はぜひ試してみてください。他の和音でも色々と試してみてください。ピアノから聞こえる大きな響きの中に、どうやったら自分の音がきれいにぴったりとハマるか。その時点でもう私たちは、それぞれの耳をフルに開いて音を聴こうとしています。このことこそが私たちの「耳をきたえる、育てる」事になり、「周りの音に敏感に反応し、しかも自分の音もきちんと聴けてハーモニーに溶け込んで行ける」ようになるのです。

今日はこの辺で。最後まで読んでくださってありがとうございます。

Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★(2020年4月23日)

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