【リード】自分に合ったリードのサイズを知ることが重要なわけ

「どんなに吹き方を工夫してみても居心地が悪い」「自分の吹き方が悪いのではないか?」何か演奏がうまくいかない時は色々と考えてしまいます。いったいどこに問題があるのか、可能性がありすぎてもはやわからなくなった。こういう思いをした方は多いと思います。私も同じ思い、経験をしてきました。今日は「思わぬ観点・リードのサイズ」が原因だった、それを変えることで劇的に演奏しやすくなったお話しをしようと思います。もし同じ思いをされている方がいらっしゃったら、参考になれば幸いです。

リードは基本的に「幅広になると音色が暗い感じになる」と解釈されています。そして幅広になる分、息を吹き込む先端の開いた面積が大きくなるので必要な息の量も増すことになります。この二つのポイントを押さえてお話ししていきます。

かつてドイツで学生をしていた頃、カリキュラムの一つに「多くの有名オーケストラの奏者にレッスンを受けられる」というものがありました。ある有名オーケストラの奏者にイングリッシュ・ホルンを習ったときのことです。その方に勧められたリードは「かなり幅広く、全長は短め」のものでした。大きい音は出るし、音色も一見「暗そう」に聴こえます。しかし、一生懸命に曲などをさらうのですが、どうにもスタミナがもたない、バテてくると音程も非常に不安定になる。何で自分はこんなに曲が通して吹けないんだろうか?

こんなこともありました。同じくイングリッシュ・ホルンのレッスンを別の有名オーケストラ奏者に何度か習ったときのことです。その方に勧められて使用したボーカルですが、かなり幅広のものでした。確かに「太くて暗い、大きな音が出る」感じがします。しかし、とにかく曲が吹けない、あっという間にバテてしまうのです。せっかく大学の授業で様々なオーケストラの奏者たちにレッスンしてもらえる、おかしいのは自分の方だ、練習をしっかりしないと、という時間が過ぎていきました。

そんな時、知り合ったのが「ドルトムント・フィルハーモニカー」のクリスティアーネ・ディーミゲン先生です。彼女はドイツ人ですが私よりもずっと小柄な方です。彼女に色々と相談したら、あっさりと「細いタイプのボーカル」と「細めのシェーピング→細めのリード」を勧めてくれました。全てを少し細めにした結果、驚くほどイングリッシュ・ホルンを吹くのが楽になりました。音程も小細工などしなくても綺麗にとれる、以前に比べて細めのリードなので必要な息の量も少し落ち着く、という効果によって、曲も以前に比べて格段に楽に吹けるようになりました。その結果、自由に演奏できるようになり、音色、響きも格段に良くなり、私の響きがどういうものなのかわかるようになりました。

そんなの、当たり前じゃん、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、当時は何も知らずとにかく色々と試していた自分はすっかりと忘れていたのです。「機能重視にしないと、演奏自体が崩壊する」ということを。自ら経験して味合わないとわからないのです、仕方ありませんね。

ディーミゲン先生は私よりも体が小さいのにしっかりとした音で滑らかで繊細な表現もできる。その理由は、「自分の体格に合ったボーカルの細さ、自分の息の量に合ったシェーパーの幅→リードの幅」を知っているというわけでした。体格の良いドイツ人男性奏者と同じアイテムで同じように吹こうとしていた事が間違っていたのです。彼女のおかげでイングリッシュ・ホルンの演奏が格段に上達した私はオーケストラの中でイングリッシュ・ホルンを吹く機会を多くいただきました。今もそのリードの寸法で作っています。そしてこれは、オーボエリード の場合も同じ事が言えると思います。

これらのことからわかることは何か?

私から見た幅広のリードの特徴は「音色は暗い、音程はしっかりした材料でないと不安定になりがち、多くの息が必要」となって、幅が細めのリードの特徴は「音色は比較的はっきりしている、音程は安定しやすい、息を集中させて吹き込める」となります。更に奏者の体格、息の量によってシェーピング、(イングリッシュ・ホルンでは)ボーカルのサイズを変える必要がある場合がある、ということです。

「音色は良いけど、どうにも音程が取りにくい」「息を沢山吹き込まないと音程が安定しない、そしてすぐにバテてしまう」など演奏に支障をきたしている場合は、自分の吹き方が悪い、自分が悪い、と思い自分を責めるのではなく、外的要因もあるのだということを知っていただきたいのです。そして色々な要素(チューブ、材料など)がある中の一つとして「リードの幅の違い」もあるのではないか、ということを知っていただけたらと思います。

今日はこの辺で。最後まで読んでくださってありがとうございます。

Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★(2020年9月18日)

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