【イングリッシュホルン】ソロ・イングリッシュホルンのオーディションを受けた時のショック

今までほとんど書いてこなかったテーマ「イングリッシュホルン」について、これから何度かに分けてお話ししていこうと思います。

このブログを読んでくださっている皆さんは既に楽器についての知識を持たれている方が多いと思われますので簡単に。イングリッシュホルンはオーボエの仲間という感じで低い音域のでる楽器です。が、使うリードも違いますし必要な息の量も違うし、私の中では「全く別の楽器」と言っても良いものです。

オーケストラの中では「特殊楽器・ソロ楽器」として大活躍します。ドイツのプロオーケストラは規模と給料のカテゴリーとしてA〜Dと分けられていて、大所帯のオーケストラには「ソロ・イングリッシュホルン奏者」のポストがあります。今日はそういったポストのオーディションを受けに行った時のお話を少ししましょう。

私が学生生活と並行してオーケストラで働き始めた頃、ドイツ国内では「ソロ・イングリッシュホルン」のオーディションが割と多くありました。オーケストラでイングリッシュホルンパートを頻繁に吹かせていただいて「この楽器好きだな」と思っていた私は、良い経験になるだろうと「ソロ・イングリッシュホルン」のオーディションをいくつか受けに行きました。

ドイツのオーケストラのオーディションは「招待状」が必要で特に規模の大きいオーケストラや応募数が多い場合は「学生及びまだ正団員でない」人たちを「Vorprobespiel」という「オーディションのための予選会」に招待し、そこから選ばれた1名ほどの奏者を「オーディション」に招待するという仕組みです。非常に狭き門です。

ドレスデン、ベルリン、と色々受けましたが、ペーペーの私がそこで見たのは「いや、みんな上手すぎるでしょ、楽器めちゃくちゃ鳴ってる人ばかりだ」というものでした。

そんな中で1番印象に残っているのはバンベルクのオーディションです。普通は練習会場やスタジオなどで行われますが、バンベルクでは拠点としている大ホールの舞台の上で行われました。オーディションのための予選会で舞台で吹かせてもらえるとは!緊張もしたと思いますが、とにかくデカすぎるホールでたった一人で吹いて、遠くに見える審査員(オーボエパートの人たち)に音が届いてくれ〜と思いながら吹いていました。

結果は先に進めず、残念だったがせめて講評を聞きたい。そう思って出待ち状態で首席奏者の方とお話ししました。その時言われたのは「ソロ・イングリッシュホルンという楽器は、音量がでかいとかバカ吹きすれば良いというのではなく、いかにソリスティックに、この大きいホールの端まで聴いている人に音が、響きが届くか、そんな存在感が大事なんだよね」

こんな感じだったと思います。ショックでしたね、いえ、ネガティブな意味だけでは決してありません。納得したというのでしょうか、それが知れて良かった、と思いました。さて、どうするか。

時系列的には少し前後しますが、こういった経験を踏まえて私が考えるイングリッシュホルンという楽器についてのあれこれを、これから少しずつお話ししていこうと思います。

最後にもう一度、イングリッシュホルンという楽器はソロ楽器です。比較的大きな編成の中でいかに浮き立って響きと歌心が遠くまで届くか、それが問われる「凄くソリスティックな楽器」だと私は思います。今日はこの辺で。最後まで読んでくださってありがとうございます。

Viel Spass und Freude am musizieren!!

音楽に楽しみと喜びを★

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