【ことば、思い、その他】緊張するということについて

緊張についてはこれまでにも何度か書いてきましたが、また良い体験をしましたのでお話ししようと思います。

「緊張しないためにはどうすればいいですか」よく聞く質問ですよね。それに対して私が言えることは「緊張は大なり小なり常にあります。それをどう自分の味方につけるか、そこが良いパフォーマンスにつながるかどうかだと思います」こう答えています。緊張の対義語は弛緩です。緊張は色々な意味で筋肉が硬っている、力が入っていることで、それをうまくコントロールすると演技に良いパワーをもたらしてくれます。うまくコントロールできないと体が硬くなってしまい思うような演技ができません。それに対して、弛緩とは緩んでいる状態です。具体的にどんな状態かというと、例えば「温泉から上がってビールを飲んで気分が良くなっている」感じでしょうか(苦笑)。これでは茹で上がったイカ状態で良い演技は難しいです。

話を戻しましょう。オーボエでの演奏は、もう何度も何度も本番を経験してきたので、大抵の場合は緊張をそれなりにコントロールできます。それとは対照的な経験を先日したのです。

入学式で「君が代」をピアノ演奏しました。学校で仕事を始めてから3回目です。今回は急な話でもあり、相当緊張しました。体育館で何度か練習しましたが、式典が始まるまで、始まってからどんどん迫ってくる自分の出番、緊張と不安をずっと行き来していました。緊張している自分もわかっているし、どうすれば良いかもわかっているのに、ピアノ演奏の経験が少なく、気持ちをポジティブに持っていくことが大変でした。

結果は、あれだけ緊張していたにもかかわらず、ノーミスで弾けました。自分の中では完璧な出来具合です。しかし、そこに至るまでの緊張と神経のすり減り具合は相当なものでした。

一体、オーボエの時と何が違っているのだろう。ずっと考えていました。慣れている楽器、慣れていない楽器、経験値、それはわかっていますが、もっと具体的な理由、、、。

皆さんは何だと思いますか?

それは、「どこまで鮮明にイメージ(トレーニング)できるか」です。

オーボエの場合は、自分にできる範囲のことを100%イメージできた上で本番に臨むようにしています。メロディはもちろん、伴奏の音、指の動き、息のスピード感覚、足裏感覚、さまざまな感覚を楽器を持っていない時でもイメージできるようにします。その上で本番に臨むので、緊張は大抵の場合良い効果となります。

ピアノの場合は、自分が演奏自体の経験値が少ないために、暗譜もできないばかりか、指の位置もうっかりしたらイメージできなくなるのです。ピアノの鍵盤を触っていないと、何から何まで鮮明にイメージができなくなるのです。これは仕方がありません。私がピアノに真剣に取り組んでこなかったからです。今回、運よくノーミスでできましたが、余裕は全くありませんでした。目の前の音たちを正しく鳴らすことで精一杯でした。

このことからわかることは何か。

このブログを読んでくださっている皆さんは、オーボエを演奏している方が多いと思います。もしかしたら専門として精進されている方もいるかもしれません。オーボエでなくても、他の楽器でも構いません。

演奏をするときは、楽器を持っていない状態でも、あらゆる感覚(指使い、息つかい、足裏感覚)を研ぎ澄ましてどれだけ鮮明に演奏している様子がイメージできるか、これが非常に重要になると思います。それができればほぼ自分の思うような演奏ができる。逆に鮮明にイメージできないと失敗する確率が高くなるか、相当の緊張できちんと演奏することで必死になってしまう。そのことを改めて感じたのでした。練習の回数も必要ですが、いかに様々な感覚を研ぎ澄まして練習するかということも大事になってきますね。

(ちなみに、私が「君が代」を初めて弾いた時は、広い体育館で水を打ったような静寂の中、自分の弾いた音が鳴り響いたことにただただ驚愕して、どのように弾いたか記憶がありません。2度目は少し冷静に弾けましたが、途中で音を間違えてしまって、この曲は1音間違えるだけですごく目立つのだ、ということがわかりました。今回の3度目は完璧に弾けましたが緊張と自分の余裕のなさで疲れました(苦笑)。少しずつですが発展はしているようです)

今日はこの辺で。最後まで読んでくださってありがとうございます。

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